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ストレス反応と対処法  自分に合ったストレスとの付き合い方を考える

ストレス反応と対処法|自分に合ったストレスとの付き合い方を考える

先日、就労移行支援事業所リワーク守口(大阪府守口市)では「ストレス反応と対処法」をテーマに、ストレスマネジメントのプログラムを実施しました。

今回のプログラムでは、まず「ストレスとは何か」「ストレスを感じると心や身体、行動にどのような変化が起こるのか」を確認したうえで、自分自身のストレス反応について振り返り、どのような対処法が自分に合っているのかを考えていきました。

この記事では、当日扱った内容と、参加された利用者さんから出た声をまとめてご紹介します。「ストレスとの付き合い方がわからない」「働き始めたあとも安定して続けたい」という方の参考になれば幸いです。

  ストレスは「なくすもの」ではなく「付き合うもの」

ストレスというと、「できるだけ感じないほうがいいもの」というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし実際には、仕事や人間関係、生活環境など、ストレスを完全になくすことは簡単ではありません。生きて活動している以上、ストレスはついて回るものです。

そのため今回のプログラムでは、「ストレスをなくす方法」を考えるのではなく、「ストレスを感じたとき、自分にはどんな変化が起こるのか」「そのとき、どう対処すればよいのか」というところに重点を置きました。ゴールを「ゼロにする」から「うまく付き合う」に置き換える、と言ってもよいかもしれません。

そもそもストレスとは、外からの刺激(ストレッサー)によって心身に生じるゆがみのことを指します。風船を指で押したときにへこむ、あの状態をイメージするとわかりやすいでしょう。押す力がストレッサーで、へこみがストレス反応です。押す力を完全に取り除けないなら、まずは自分の風船がどんなふうにへこむのかを知っておくこと。それが今回の出発点でした。

  まずは「自分のストレス反応」を振り返る

プログラムの中では、ストレスによって起こる反応について整理しました。ストレス反応には、大きく分けて「身体」「こころ」「行動」の3つの変化があります。

■ 身体に出るサイン

疲れやすくなる、頭痛や肩こりが出る、眠れなくなる、食欲が変化する――といった変化があります。身体のサインは自覚しやすい一方で、「年のせい」「季節のせい」と別の理由に置き換えてしまいやすいのも特徴です。

■ こころに出るサイン

イライラする、不安になる、気分が落ち込む、やる気が出ない、集中できない――といった変化が出ることがあります。「気合いが足りない」「性格の問題」と自分を責めてしまいがちですが、多くの場合はストレスへの自然な反応です。

■ 行動に出るサイン

人と話したくなくなる、外出を避けるようになる、仕事を後回しにする、寝ている時間が増える――など、普段とは違った行動につながることがあります。行動の変化は自分では気づきにくく、周囲のほうが先に気づくこともあります。

■ 大切なのは「人と同じ反応でなくていい」ということ

今回のプログラムでは、こうした例を確認しながら「自分の場合はどんな変化が出やすいだろう?」と振り返ってもらいました。実際に振り返ってみると、「イライラすることが増える」「人と関わるのがしんどくなる」「寝つきが悪くなる」など、それぞれ異なるストレス反応が挙がりました。

ここで大切なのは、他の人と同じ反応が出る必要はないということです。出方は人によってまったく違います。自分にどんな変化が起こりやすいのかを知っておくことで、「最近ちょっと調子が悪いかもしれない」と早めに気づけるようになります。いわば、自分専用の警報装置を持っておくということです。

  ストレス対処法(コーピング)について考えてみる

その後は、実際のストレス対処法について考えました。ストレスへの対処は「コーピング」とも呼ばれ、一般的には「運動する」「趣味を楽しむ」「音楽を聴く」「人に相談する」「ゆっくり休む」など、さまざまな方法が挙げられます。

ただ、プログラムを実施していて改めて感じるのは、「良いと言われている方法」と「自分にとって実際にできる方法」は別だということです。

例えば、運動が好きな人にとっては散歩や軽い運動が良い気分転換になります。一方で、仕事や人間関係でかなり疲れているときには、「運動するために外へ出ること」そのものが負担になる場合もあります。

「趣味を楽しむ」という方法も同じです。普段なら好きなことでも、ストレスが強いと「趣味をやる気力すらない」ということがあります。「誰かに相談する」ことについても、人と話すことで気持ちが整理される人がいる一方で、自分の気持ちを言葉にすることが苦手な人もいます。

そのため今回のプログラムでは、「これが正解」というものを決めるのではなく、今の自分なら何ができそうかという視点で考えることを大切にしました。調子が良いときにできる方法と、しんどいときにできる方法は違っていて当然です。両方を持っておくと、選択の幅が広がります。

  利用者さんから出た「実際にできそうな対処法」

プログラムの中では、実際に自分ができそうな対処法について考えてもらいました。すると、「散歩をする」「音楽を聴く」「一人になる時間をつくる」「誰かに話す」「早めに寝る」など、さまざまな方法が出てきました。

ここで興味深いのは、同じストレス対処法でも、人によって捉え方が違うことです。例えば「人に相談する」という方法でも、「話すことで気持ちが楽になる」という人もいれば、「話すこと自体に疲れるので、まず一人で整理したい」という人もいます。どちらが正しいということではなく、どちらもその人にとって正解なのです。

支援者としても、こうした違いを改めて知る機会になりました。同じ言葉で語られる対処法でも、その中身は人の数だけあります。だからこそ、支援する側が「これをやってみましょう」と一律に勧めるのではなく、ご本人が選べるように材料を並べることが大事なのだと感じます。

ストレス対処法は、単に「たくさん知っていればいい」というものではなく、自分にとって無理なく使える方法を持っていることが大切なのだと思います。

  「ストレス対処法を知っていてもできない」ということ

今回のプログラムで特に大切にしたのが、「知っていること」と「実際にできること」は違うという点です。

「ストレスを感じたら運動したらいい」「嫌なことがあれば誰かに相談したらいい」「疲れたら休めばいい」。言葉にすると簡単ですが、実際にはなかなか難しいこともあります。

利用者の方からも、「頭では分かっているけど、しんどいときは何もしたくなくなる」「相談したほうがいいのは分かっているけど、相談するタイミングが難しい」といった声が出ることがあります。

こうした話を聞くと、ストレスマネジメントは「正しい方法を覚えること」ではないと感じます。むしろ、自分の状態に合わせて、今できる方法を選べるようになることが重要なのではないでしょうか。

そこでおすすめしているのが、「元気度別に対処法を用意しておく」という考え方です。元気が10のときは散歩や運動、5のときは音楽を聴く、1のときは布団に入る――というように、しんどさのレベルごとに手札を決めておくと、判断する力が落ちているときでも選びやすくなります。

  支援者として感じる「早めに気づくこと」の大切さ

今回のプログラムを通して、支援者として改めて感じたのは、「ストレスが限界になる前に気づくこと」の大切さです。

体調を大きく崩してから、「もっと早く休めばよかった」「こんなに無理しているとは思わなかった」と振り返る方もいます。しかし実際には、そこまで悪化する前に、何らかのサインが出ていることがあります。

「最近眠れない」「いつもよりイライラする」「人と話すのが面倒になってきた」「集中できなくなってきた」。こうした小さな変化は、自分自身の状態を見直すきっかけになります。

個人的には、ストレスに強い人というのは「何があっても平気な人」ではなく、自分の調子が崩れ始めたことに早く気づける人なのではないかと思っています。早く気づけば、その分だけ「休む」「人に相談する」「予定を減らす」など、取れる選択肢も増えるからです。逆に限界まで我慢してしまうと、残された選択肢は「倒れる」しかなくなってしまいます。

  就職後の生活にもつながるストレスマネジメント

今回のプログラムは、単にストレスについて知識を得るだけのものではありません。就職後、仕事を続けていくためにも、自分の状態を把握して適切に対処する力は重要になります。

働き始めると、仕事そのものだけでなく、人間関係、通勤、生活リズム、職場環境など、さまざまな変化があります。その中で、「ちょっと疲れてきた」「最近イライラすることが増えた」と自分の変化に気づければ、早めに対処することができます。

例えば、「気づく → 自分の状態を整理する → できそうな対処を試す → 必要なら周囲に相談する」という流れを身につけておくことは、安定した就労を続けるうえでも役立つと考えています。

とくに4番目の「相談する」は、就職後に効いてきます。体調を崩してから伝えるのと、「最近少し疲れが出ています」と早めに伝えるのとでは、職場側が取れる配慮もまったく変わってきます。これは働く力そのものと言ってよいスキルです。

  自分に合ったストレス対処法は、試しながら見つけていく

「自分に合ったストレス対処法が分からない」という方も、最初から答えを見つける必要はありません。まずは、「これならできそう」と思える小さな方法を試してみることから始めてみましょう。

散歩をしてみる。好きな音楽を聴いてみる。少し早く寝てみる。人に話してみる。あるいは、何もせずにゆっくり休んでみる。

やってみて少し楽になるなら、自分にとって役立つ方法かもしれません。逆に、やってみてしんどくなるのであれば、別の方法を試せばいいのです。うまくいかなかった試みも、「自分には合わない」という情報が一つ増えたということ。決して無駄にはなりません。

ストレス対処法に正解は一つではありません。自分の状態に合わせて「今日はこれにしてみよう」と選べるようになることが、ストレスマネジメントの一つのゴールだと考えています。

  よくあるご質問(FAQ)

Q1ストレス反応にはどんな種類がありますか?
A大きく「身体」「こころ」「行動」の3つに分けて整理できます。身体では疲れやすさ・頭痛・肩こり・不眠・食欲の変化、こころではイライラ・不安・気分の落ち込み・意欲や集中力の低下、行動では人を避ける・外出を控える・物事を後回しにする・睡眠時間が増えるといった変化が挙げられます。
Q2自分のストレスサインに気づくコツはありますか?
Aふだんの自分との違いに目を向けることです。「よく眠れているか」「イライラが増えていないか」「人と話すのが面倒になっていないか」など、自分に出やすい変化をあらかじめ2〜3個メモしておくと、早めに気づきやすくなります。
Q3ストレス対処法はたくさん知っておくべきですか?
A数より「無理なく使える方法を持っていること」が大切です。あわせて、元気なときにできる方法としんどいときにできる方法を分けて用意しておくと、状態に合わせて選べるようになります。
Q4対処法を知っていても実行できません。どうすればよいですか?
Aそれは自然なことです。しんどいときは判断力も落ちるため、ハードルの高い方法は選べなくなります。「布団に入る」「窓を開ける」など、限りなく小さな行動を最後の手札として決めておくのがおすすめです。
Q5リワーク守口ではどんなプログラムがありますか?
Aストレスマネジメントのほか、ビジネスマナー講習、面接練習、コミュニケーション訓練、ソーシャルスキル訓練、パソコン・デザイン・プログラミング・動画編集などのスキル訓練、週2回の運動プログラムなどを実施しています。見学・体験も受け付けています。

  今回のプログラムを通して ― まとめ

今回の「ストレス反応と対処法」のプログラムでは、自分のストレスについて改めて振り返る時間を持ちました。

ストレスは、完全になくすことはできません。だからこそ、「ストレスを感じないようにする」のではなく、ストレスに気づき、必要に応じて対処できる自分をつくっていくことが大切です。今回学んだことを、日々の生活や今後の就労に少しずつ活かしてもらえればと思います。

当事業所では、このようなストレスマネジメントをはじめ、就労や日常生活に役立つさまざまなプログラムを実施しています。「自分に合ったストレスとの付き合い方を知りたい」「仕事を始めたあとも安定して働き続けたい」「自分の体調や気分の変化にうまく対処できるようになりたい」――そんな方にとって、今回のようなプログラムが自分自身を知るきっかけになればと考えています。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。見学・体験のご相談もお待ちしております。

お問い合わせ・見学のご案内
就労移行支援事業所 リワーク守口(一般社団法人どんぐりの会) 所在地:大阪府守口市金下町2-2-12 サクセス金下2F アクセス:大阪メトロ谷町線「守口」駅3番出口から徒歩約3分/京阪本線「守口市」駅東改札口3番出口から徒歩約3分 電話:06-6992-0001(受付時間 平日10:00~18:00)/本部フリーダイヤル:0120-154-615 ホームページ:https://donguri-work.jp/

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※本記事は、就労移行支援事業所リワーク守口で実施したストレスマネジメント プログラムの内容をもとに、支援スタッフが作成しています。記載内容は一般的な情報および参加者の体験の共有であり、診断・治療を目的としたものではありません。心身の不調が続く場合や日常生活に支障がある場合は、主治医・医療機関にご相談ください。