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こんにちは。就労移行支援事業所リワーク守口(大阪府守口市)で自助会を担当している、フタミです。
振り返れば、もう約1年間やらせていただいています。毎回テーマを決めて集まり、皆さんの意見を聞いたり、私自身の経験談をお話ししたり。和気あいあいと議論する時間が、すっかり事業所の定番プログラムになりました。
今回はその自助会がどんな場なのかをあらためてご紹介しつつ、先日2回にわたって話し合った「睡眠」の回のレポートをお届けします。最後には、次回8月28日のテーマ予告もありますので、ぜひ最後までお付き合いください。
自助会とは、同じような経験や悩みを持つ人同士が集まり、対等な立場で語り合う場のことです。ピアサポート(peer=仲間による支え合い)とも呼ばれます。誰かが一方的に教える講義ではなく、支援者が答えを出す相談窓口でもありません。「私はこうしている」「自分はこう感じた」を持ち寄って、みんなで並べてみる。それが自助会です。
リワーク守口の自助会では、テーマは利用者さんから出たものと、私が考えたものの両方から選んでいます。「こんなこと話してみたい」という一言が、そのまま次回のテーマになることも珍しくありません。自分たちで決めたテーマだからこそ、話が自然と前に進みます。
約1年間続けてきて感じるのは、「答えを出さなくていい場」の価値です。就職活動や訓練の場面では、どうしても「できる/できない」で自分を測ってしまいがちです。けれど自助会では、うまくいっていない話をしても否定されません。むしろ「私もそうです」という声が返ってくる。その安心感が、次の一歩の土台になっていると感じています。
和やかな雰囲気は、自然にできあがるものではありません。1年続けるなかで、私なりに気をつけていることが3つあります。
発言を順番に回すことはしていません。今日は聞いていたい、という日があって当然だからです。聞いているだけでも「自分だけじゃなかった」と気づけることはたくさんあります。参加のハードルを下げることが、結果として発言のしやすさにつながっています。
誰かが打ち明けた話に、すぐ「それはこうしたほうがいい」と返すと、場はあっという間に閉じてしまいます。自助会で大事なのは正解を出すことではなく、経験を分け合うこと。私も支援者としてではなく、一人の経験者として自分の話をするよう心がけています。
テーマによっては、しんどい話題を扱う回もあります。それでも最後は必ず、「じゃあ明日から何ができそう?」という方向に着地するよう工夫しています。悩みを吐き出して終わりにせず、小さくても前向きな持ち帰りを一つつくる。これは自助会の設計として、いちばん意識している部分です。
先日の自助会では「睡眠」を取り上げました。話したいことが次々に出てきたため、1回では収まらず、2回に分けて睡眠時間や睡眠の方法について話し合いました。
睡眠は、誰もが毎日していることなのに、他人とじっくり比べる機会がほとんどありません。「みんな何時に寝ているんだろう」「自分の眠りは足りているんだろうか」。そんな素朴な疑問が、実はいちばん盛り上がるテーマでした。
日本は世界に比べると睡眠時間が足りないと言われています。OECD(経済協力開発機構)の国際比較でも、日本の平均睡眠時間は加盟国の中で最も短い部類に入るという結果が知られています。「忙しいから眠らない」のではなく、「眠らないことが普通になっている」社会だ、と言い換えることもできそうです。
自助会でも、参加されている皆さんの睡眠時間を出し合ってみました。「5時間台で回している」という方もいれば、「8時間眠らないと調子が出ない」という方もいて、必要な時間には想像以上に個人差があることがよくわかりました。
最近は「睡眠負債」という言葉も出てきています。1日1時間の寝不足でも、それが積み重なると借金のように蓄積し、集中力や気分、体調に影響してくるという考え方です。厄介なのは、負債が溜まっている人ほど、自分の眠気に気づきにくくなるという点です。
「休日に寝だめすれば取り返せる」と思いがちですが、寝だめは休み明けの生活リズムを崩しやすく、根本的な解決にはなりにくいと言われています。この話をしたとき、「休日に昼まで寝て、月曜がいちばんつらい」という声が複数出て、皆さん深くうなずいていました。
そういう観点から睡眠について議論を進め、行き着いたのは「量」より「質」が大事ではないか、ということでした。もちろん量も大切で、厚生労働省の睡眠に関するガイドでも成人は6時間以上を目安にすることが示されています。ただ、何時間眠ったかという数字だけを追いかけると、かえって「眠れない自分」を責めてしまいます。
それよりも、朝すっきり起きられたか、日中に強い眠気がないか、といった「起きたあとの感じ」を目安にするほうが現実的です。自助会でも「時間を数えるのをやめたら、逆に眠れるようになった」という体験談が出て、なるほどと思わされました。
議論の途中では「正夢」の話でも盛り上がりました。夢の内容を覚えている人・まったく覚えていない人、怖い夢が続く時期の話など、話題は自由に広がっていきます。
一見すると脱線ですが、こうした雑談こそが自助会の魅力です。真面目な話だけでは続きません。笑いながら話しているうちに、ふと本音がこぼれる。その空気をつくることも、担当としての大事な役割だと思っています。

ここからは、参加された利用者さんから実際に出たアイデアをご紹介します。どれも専門的な道具や費用が必要なものではなく、今日から試せるものばかりでした。
まず出たのが寝具の工夫です。枕の高さが合っていなくて首が痛かった、季節に合わない掛け布団で夜中に暑くて目が覚めていた、マットレスを替えたら寝返りが楽になった――。「眠れないのは自分のせい」と思っていたら、実は道具の問題だった、というケースは意外と多いようです。
とくに反応が大きかったのが、朝に光が入るようにカーテンを工夫するという意見でした。遮光カーテンを少しだけ開けて寝る、レースのカーテンだけにする、といった方法です。
朝の光を浴びると体内時計がリセットされ、夜の眠気が自然に訪れやすくなると言われています。目覚まし時計を増やすより、光で起きるほうが体にやさしい。「カーテンを5センチ開けておく」だけなら、今夜からできますよね。
布団の中でスマートフォンを見るのをやめる、夕方以降のカフェインを控える、就寝の1〜2時間前に入浴を済ませる、といった意見も出ました。とくに入浴は、いったん上がった体温が下がるタイミングで眠気が来るため、寝る直前より少し前がよいという話に、皆さん納得されていました。
眠れない日があっても、起床時刻だけは大きくずらさない。これは私からもお伝えした工夫です。就寝時刻は眠気次第で自分ではコントロールしにくいのに対し、起床時刻は自分で決められます。起きる時間を固定すると、リズムは少しずつ整っていきます。

睡眠は、就職活動や職場定着ととても深く結びついています。眠れていない状態では、集中力も判断力も落ち、気分も不安定になりやすくなります。面接の前日に眠れなかった、通所が続かない、午後になると頭が働かない――そうしたお悩みの背景に、睡眠のリズムが隠れていることは少なくありません。
逆に言えば、生活リズムが整うと、通所が安定し、訓練の成果も積み上がりやすくなります。スキルの習得や面接練習と同じくらい、いえ、それらの土台として、睡眠は大切なテーマなのです。リワーク守口が「こころ」と「からだ」を整えることを掲げているのも、まさにこの考え方に基づいています。
なお、自助会は医療の場ではありません。眠れない状態が長く続いている場合や、日中の生活に大きな支障が出ている場合は、主治医や医療機関にご相談ください。自助会でお話しするのは、あくまで生活のなかの工夫と、お互いの経験の共有です。
次回、8月28日の自助会のテーマは、『ゾウの時間 ネズミの時間』という書籍の中から、「時間の感じ方」について議論したいと思います。
この本は、動物の体の大きさによって時間の流れ方が違う、という視点で書かれた一冊です。心臓の鼓動が速いネズミと、ゆっくりしたゾウ。寿命の長さはまるで違うのに、一生のあいだに心臓が打つ回数はおおよそ同じくらいだ――そんな話が出てきます。ゾウにはゾウの時間があり、ネズミにはネズミの時間がある、というわけです。
これは人にも当てはまる話ではないでしょうか。同じ8時間でも、あっという間だった日と、永遠に感じた日があります。人と比べて「自分は遅い」と焦ってしまうこともあります。でも、その人にはその人の時間の流れがあるのだとしたら、少し肩の力が抜けるかもしれません。
就職までのペースも人それぞれです。次回はそんな話を、皆さんと一緒にゆっくり考えてみたいと思っています。ご参加をお待ちしています。

| Q1 | 自助会にはどんな人が参加していますか? |
| A | リワーク守口に通われている利用者さんが中心です。よく話す方も、聞くのが中心の方もいらっしゃいます。発言の順番を回すことはしていませんので、ご自分のペースで参加していただけます。 |
| Q2 | テーマはどのように決まりますか? |
| A | 利用者さんから出たテーマと、担当スタッフが考えたテーマの両方から選んでいます。「これについて話してみたい」というご意見はいつでも歓迎です。 |
| Q3 | 重い話題が出たときはどうしていますか? |
| A | ネガティブなテーマを扱う回もありますが、最後は前向きな持ち帰りができるように進行を工夫しています。話したくないことは話さなくて大丈夫です。 |
| Q4 | 睡眠は「何時間」眠るのが正解ですか? |
| A | 必要な時間には個人差があります。厚生労働省の睡眠に関するガイドでは成人は6時間以上が目安とされていますが、時間の数字よりも「朝すっきり起きられるか」「日中に強い眠気がないか」を目安にするほうが現実的だと、自助会では話し合いました。眠れない状態が続く場合は医療機関にご相談ください。 |
| Q5 | 自助会だけ見学することはできますか? |
| A | 見学・体験を受け付けています。実際の雰囲気を見ていただくのがいちばんわかりやすいので、まずはお気軽にお問い合わせください。 |
睡眠は「量」より「質」。そして質を上げる方法は、寝具を見直す、朝に光を入れる、寝る前のスマホをやめる、起きる時刻をそろえる――と、どれも身近なところにありました。何より印象的だったのは、それらのアイデアが専門家からではなく、参加された皆さん自身の口から出てきたということです。
同じ悩みを持つ人同士だからこそ交換できる知恵があります。それが自助会という場の力だと、担当として1年やらせていただいてあらためて感じています。
「同じような悩みを持つ人と話してみたい」「生活リズムを整えて就職を目指したい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。見学・体験のご相談もお待ちしております。(担当:フタミ)
| お問い合わせ・見学のご案内 |
| 就労移行支援事業所 リワーク守口(一般社団法人どんぐりの会) 所在地:大阪府守口市金下町2-2-12 サクセス金下2F アクセス :大阪メトロ谷町線「守口」駅3番出口から徒歩約3分/京阪本線「守口市」駅東改札口3番出口から徒歩約3分 電話:06-6992-0001(受付時間 平日10:00~18:00)/本部フリーダイヤル:0120-154-615 ホームページ:https://donguri-work.jp/ |
※本記事は、就労移行支援事業所リワーク守口で実施している自助会の内容をもとに、担当スタッフが作成しています。睡眠に関する記述は一般的な情報および参加者の体験の共有であり、診断・治療を目的としたものではありません。眠れない状態が続く場合や日常生活に支障がある場合は、主治医・医療機関にご相談ください。