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本日、就労移行支援事業所リワーク守口(大阪府守口市)では、ビジネスマナーの授業を行いました。今回のテーマは「敬語」です。
敬語は毎日のように使っている、いちばん身近な日本語のマナーです。ところが「では、いま正しく使ってみてください」と言われると、急に自信がなくなる――そんな経験はありませんか。実は敬語には種類があり、現在は細かく分けると5種類に分類されています。この記事では、授業で扱った敬語の5分類、うっかりやってしまいがちな誤用、そしてビジネスシーンや面接ですぐ使える便利な敬語まで、当日の様子とあわせてご紹介します。
私が子どもの頃に学校で習ったのは「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類でした。同じように覚えている方も多いのではないでしょうか。ところが現在は、謙譲語が「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ(丁重語)」の2つに分かれ、さらに「美化語」が加わって、全部で5種類とされています。
これは文化審議会が示した「敬語の指針」に基づく考え方で、学校の国語教育や社会人向けのビジネスマナー研修でも、この5分類が使われるようになりました。授業でこの話をすると、利用者さんからは「3種類しか知らなかった!」「学校で習ったのと違う」という声が次々にあがり、皆さん本当に驚かれていました。
分類が増えたのは、敬語が難しくなったからではありません。むしろ「誰を立てているのか」をはっきりさせるために整理された、と考えるとわかりやすくなります。敬語は結局のところ「相手との距離のとり方」を言葉で示すものです。誰を立て、誰をへりくだらせ、誰に対して丁寧に話しているのか。この視点を持つだけで、敬語はぐっと使いやすくなります。
授業では、5種類それぞれの働きを「誰を高めるのか/誰に丁寧なのか」という軸で整理しました。ここでも同じ順番で見ていきましょう。
相手(立てたい人)の動作や状態を高める言い方です。「いらっしゃる」「おっしゃる」「なさる」「召し上がる」「ご覧になる」などが代表例です。「お(ご)~になる」「~れる・られる」という形も尊敬語をつくります。主語は必ず相手側で、自分の動作には使いません。「私が召し上がります」は明らかにおかしい、と考えるとイメージしやすいと思います。
「伺う」「申し上げる」「お目にかかる」「拝見する」「差し上げる」など、自分の動作をへりくだることで、その動作が向かう相手を立てる言い方です。ポイントは「立てる相手がいる」こと。「明日、部長のお宅へ伺います」は、伺う先の部長を立てています。
「参る」「申す」「いたす」「おる」「存じる」などがこれにあたります。謙譲語Ⅰと似ていますが、立てる相手が動作の向かう先ではなく、「話を聞いている相手」である点が違います。
たとえば「明日は大阪へ参ります」。大阪という場所を立てているわけではなく、話し相手に対して自分の行動を控えめに述べているのです。この違いこそ、謙譲語がⅠとⅡに分けられた最大の理由です。授業でも、ここでいちばん「なるほど!」という声があがりました。
「です」「ます」「ございます」。もっともなじみのある敬語です。相手を高めるのではなく、話し方そのものを丁寧にする働きがあります。面接や職場での会話は、まずこの「です・ます」を安定して使えることが土台になります。
「お酒」「お料理」「ご飯」「お花」など、頭に「お」「ご」をつけて上品に述べる言い方です。誰かを立てているわけではないので、以前は敬語に含めない考え方もありましたが、現在は5分類の一つとして扱われます。
ただし、つけすぎは禁物です。「お書類をお持ちします」のように何にでも「お」をつけると、かえって不自然で慇懃無礼な印象になります。外来語(「おコーヒー」など)や、すでに丁寧な語には基本的につけない、と覚えておくとよいでしょう。

[画像02]敬語の5分類(尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ・丁寧語・美化語) (ファイル名:02_keigo-five-types-chart.jpg/alt:敬語5種類の分類図。尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ(丁重語)・丁寧語・美化語の働きと例)
授業の後半では、実は間違った使い方になってしまう敬語を、利用者さんと一緒に確認しました。「これ、ずっと使っていました……」という声が続出した項目をご紹介します。
「おっしゃられる」「ご覧になられる」「お伺いさせていただきます」。ていねいにしようとするあまり敬語を重ねてしまう例です。正しくは「おっしゃる」「ご覧になる」「伺います」。敬語は一動作に一つで十分です。
「了解しました」は目上の方には避け、「承知しました」「かしこまりました」を使います。「ご苦労様です」は本来、目上の人から目下の人へねぎらう言葉です。上司や取引先には「お疲れ様です」が適切とされています。
「ご注文のほう、お伺いします」「こちら資料になります」「よろしかったでしょうか」。日常でよく耳にしますが、ビジネスの場では避けたい表現です。「ご注文を伺います」「こちらが資料でございます」「よろしいでしょうか」と言い換えます。
社外の方に対して「部長は席におられません」と言うのは誤りです。社外に対して自社の人間は身内にあたるため、「部長の○○は席を外しております」と、役職名を先に置き、へりくだって伝えます。電話応対でとくに間違えやすいところです。
「拝見させていただきます」「説明させていただきます」。「させていただく」は本来、相手の許可を得て、自分が恩恵を受けるときに使う表現です。多用すると回りくどく、かえって自信のない印象を与えます。「拝見します」「ご説明します」で十分ていねいです。

[画像03]間違えやすい敬語の言い換え例 (ファイル名:03_common-keigo-mistakes.jpg/alt:間違いやすい敬語の一覧。おっしゃられる・了解しました・資料になる・ご苦労様ですの正しい言い換え)
授業では、間違い探しだけでなく「明日から使える敬語」も一緒に練習しました。とくに反応が良かったのが、依頼や断りをやわらげる「クッション言葉」です。
「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」「差し支えなければ」「あいにくですが」「大変申し上げにくいのですが」。同じ内容でも、前に一言添えるだけで印象は大きく変わります。「この資料を確認してください」より「お手数をおかけしますが、こちらの資料をご確認いただけますでしょうか」のほうが、ずっと受け取りやすいですよね。
また、断りや報告の場面で使える言い換えも整理しました。「できません」→「いたしかねます」、「知りません」→「存じません」、「どうしますか」→「いかがなさいますか」、「すみません」→「申し訳ございません」。こうしたフレーズは、覚えておくだけで会話の安心感が変わります。
利用者さん同士でロールプレイをしながら進めたので、笑いも起きる和やかな時間になりました。「言えそうで言えない」を体験すると、記憶への残り方がまったく違います。
ビジネスの場では敬語は欠かせません。それにもかかわらず、きちんと学ぶ機会は意外と少ないものです。学校でも社会に出てからも、体系立てて教わる場面はほとんどなく、多くの人が「なんとなく」で使っています。そのため、知らず知らずのうちに誤った使い方をしてしまい、相手に失礼な印象を与えてしまうことがあります。
とくに影響が大きいのが面接です。面接官は話の内容だけでなく、言葉づかいから「この人は職場でどう振る舞うか」を見ています。敬語の使い方が評価に影響することもあるため、正しい敬語を身につけておくことはとても大切です。逆に言えば、敬語は短期間の練習で確実に伸ばせる、費用対効果の高いスキルでもあります。
就職した後も同じです。報告・連絡・相談、電話応対、メールの書き方――どれも敬語が土台になります。言葉づかいに自信が持てると、職場で質問や相談がしやすくなり、それが結果として職場定着につながっていきます。リワーク守口が敬語の授業を大切にしているのは、まさにこの部分です。

[画像04]面接での敬語とクッション言葉の練習 (ファイル名:04_interview-keigo-training.jpg/alt:就職面接で正しい敬語を使う応募者と面接官のイラスト。クッション言葉の例つき)
リワーク守口は、大阪府守口市にある就労移行支援事業所です。精神障がい・発達障がいをはじめ、さまざまな特性のある方が、それぞれのペースで就職を目指して通われています。
ビジネスマナー講習のほかにも、面接練習、職業訓練、職業体験などのプログラムをご用意しています。スキル面では、オフィスワーク(Word・Excel)、デザイン(Illustrator・Photoshop)、プログラミング(HTML・CSS・PHP・Java)、動画編集などを学ぶことができます。事業所内にはフィットネスジムを併設し、週2回の運動プログラムで「こころ」と「からだ」の両面を整えていきます。
また、毎月の個別目標にもとづくカウンセリングを行い、コミュニケーション訓練・ソーシャルスキル訓練・ストレスマネジメントにも取り組んでいます。交通費の補助や無料のお弁当のご提供もあり、9割以上の方が自己負担なくご利用されています。
リワーク守口では、今回のようなビジネスマナーも、利用者さん同士で和気あいあいとした雰囲気の中、楽しみながら学ぶことができます。ひとりで机に向かって覚えるのではなく、「一緒に間違えて、一緒に笑って覚える」。それが定着への近道だと考えています。
| Q1 | 敬語は本当に5種類なのですか? |
| A | 文化審議会「敬語の指針」では、尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ(丁重語)・丁寧語・美化語の5種類に分類されています。従来の3分類(尊敬語・謙譲語・丁寧語)を、より使い分けがわかりやすくなるように整理したものです。 |
| Q2 | 謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱの違いがよくわかりません。 |
| A | 謙譲語Ⅰは「動作が向かう相手」を立てる言い方(例:部長に申し上げる)、謙譲語Ⅱは「話を聞いている相手」に対して自分側を控えめに述べる言い方(例:明日は大阪へ参ります)です。誰を立てているかで見分けます。 |
| Q3 | 敬語が苦手でも就労移行支援は利用できますか? |
| A | もちろんご利用いただけます。ビジネスマナーの授業は、できる方向けの講座ではなく「これから身につける方」のための時間です。基礎から順に、ロールプレイを交えて練習していきます。 |
| Q4 | 障害者手帳がなくても利用できますか? |
| A | 障害者手帳をお持ちでない場合でも、医師の診断書等でご利用いただけるケースがあります。まずはお気軽にご相談ください。 |
| Q5 | 見学や体験はできますか? |
| A | 見学・体験ともに受け付けています。実際の授業の雰囲気を見ていただくのがいちばんわかりやすいので、ぜひ一度お越しください。 |
敬語は5種類。尊敬語は相手を高め、謙譲語Ⅰは動作の向かう先を立て、謙譲語Ⅱ(丁重語)は聞き手に対して控えめに述べ、丁寧語は話し方をていねいにし、美化語はものごとを上品に言い表す。この整理を頭に入れておくだけで、迷ったときの判断がぐっと楽になります。
そして敬語は、才能ではなく知識と練習で身につくスキルです。「ビジネスマナーに自信をつけたい」「敬語を正しく使えるようになりたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。見学・体験のご相談もお待ちしております。
| お問い合わせ・見学のご案内 |
| 就労移行支援事業所 リワーク守口(一般社団法人どんぐりの会) 所在地:大阪府守口市金下町2-2-12 サクセス金下2F アクセス:大阪メトロ谷町線「守口」駅3番出口から徒歩約3分/京阪本線「守口市」駅東改札口3番出口から徒歩約3分 電話:06-6992-0001(受付時間 平日10:00~18:00)/本部フリーダイヤル:0120-154-615 ホームページ:https://donguri-work.jp/ |
※本記事は、就労移行支援事業所リワーク守口で実施したビジネスマナー授業の内容をもとに、支援スタッフが作成しています。敬語の分類は文化審議会答申「敬語の指針」の考え方に基づいています。表現の適否は場面や業界の慣行によって異なる場合があります。